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顎関節症とは

顎関節症って?

顎関節症とは、顎の関節やその周囲の組織に痛みや、筋肉痛、顎の開け閉めなどの障害が出ることを指します。顎関節という骨組織だけを連想するのではなく、顎を動かす周辺組織の軟骨、靭帯、筋肉、神経系の機能と感覚の異常といえます。

症状や痛みについて

症状については人それぞれです。多くの方は顎関節や周囲筋肉の痛みが深刻な状態にまでは発展しません。症状は突発的や一時的なものが多いです。しかしながら、周期的や持続的に症状が起こる場合もあります。
何もせず症状が消える人もありますが、症状がひどくなったり、長期化してしまうこともあります。

痛みの原因と最良の治療法は未知な部分を多く含んでいます

顎関節症について疑問を持つのは患者さまだけではなく、私たち医療者や研究者も現在進行形で探究を行っているところです。安全で効果的な治療法が証明されるまでは、噛み合わせや顎を永久的に変えることは避けることが賢明です。
例えば私のような歯科であれば、安易に歯を削ってはいけないということになります。削った歯は元に戻れません。同様に外科処置において関節の骨を削ったりしたら変形したものは元に戻れません。この様に不可逆的な処置に至る前の診査診断はとても重要でしょう。

女性に多い疾患です

顎関節に不具合を感じる人がどれくらいに上るのか正確ではありません。しかし日本では成人の約半数に何らかの症状があるとの報告もあるようです。この顎関節症症状は男性に比べ女性に多いといわれています。

顎関節症には様々な不定愁訴も報告されます。女性の場合ホルモンバランスの変化が男性よりも顕著であり、それに伴う不快症状などの探究により顎関節周囲の違和感も多く認められるのかもしれません。昨今男性の更年期についても報告されてきていますので、男女比も変わってくるかもしれません。

顎関節って?

日本では顎関節という呼び名で総称されているためどうしても肘や膝の関節と同じような感覚を持ってしまいがちです。
肘や膝の関節はヒンジと呼ばれる軸運動が主体ですが、顎の関節は蝶番運動だけではない複雑な動きをするものです。下顎の骨を左右の離れた2か所の関節で動かし合うものです。現在私はTMJ(頭蓋骨―下顎骨―ジョイント)というよりもCMS(頭蓋―下顎ーシステム)と理解するようにしています。

顎関節は下顎骨と呼ばれる下顎の骨と側頭部にある骨(側頭骨)の間の関節です。耳の前に指を置き、口を開けると顎関節の動きが感じ取れます。
顎関節は可動性であり、上下左右に顎を動かすことができます。話す噛むあくびするなどです。顎関節周囲の筋肉の働きによって動きます。外耳孔(耳の穴)より1センチほど後方です。

口を開けると、関節頭と呼ばれる円い形をした下顎骨の先の関節部分が、側頭骨の関節窩という骨の隆起に沿って前下方に移動します。お口を閉じるときは元の場所に戻ります。
この動きをスムーズにするために、関節頭と関節窩の間に隙間があり、そこに関節円盤という円盤型をした軟骨があります。これをクッションにし顎関節は潤滑に動くようにできています。決して骨どうしが擦れているのではありません。

 

顎関節を構成する組織としては、骨・軟骨、靭帯、結合組織、滑膜組織、関節円盤、筋肉です。この一団で回転運動、滑走運動の組み合わせで動くというとても複雑な関節です。この複雑な動きと独特の構造のため、いざ問題が生じると顎関節とそれを制御している筋肉は、患者さまにも我々にも難しい問題を惹起します。

顎関節症による症状

顎関節症による不具合の症状は以下の3つに分類されます。

1、 筋膜痛: 顎関節症の不具合の中で最も多く、顎機能を制御している筋の不快感や痛みを伴います。
2、 関節内傷: 関節円盤の位置の異常、顎の転位、下顎頭の損傷などがあります。
3、 関節炎: 顎関節の退行性障害や炎症性関節障害など。

顎関節症は、この3つのうちの1つだけの症状がある場合や、同時に複数の症状がある場合など患者さまの状態は異なります。
また、慢性疲労症候群、睡眠障害、繊維筋痛症(全身の筋肉及び他の組織に影響する疼痛状態)といった顎関節症と同時に生じる他の健康問題も抱えている患者さまもいらっしゃいます。

顎関節症の進行は

顎関節症の進行はわからないことが多いです。 顎関節および筋肉の不具合がどのように進行するか明らかにされていません。病状の経過とともによくなったり悪化したりします。進行の変化などは未だに分かっていない部分が多いです。
多くの方々が顎関節および筋肉に比較的軽度の不具合が認められますが、数週間や数か月のうちに劇的に改善したり、自然に消失したりします。しかし、一部には不具合の状態が長期化したり、耐え難い痛みを引き起こすこともあります。

リウマチと顎関節症

リウマチ性関節炎などのリウマチ疾患の方が進行に伴い顎関節に問題を生じることがあります。リウマチ性関節炎も一部の顎関節症も、関節の内面を覆う組織の炎症が関連しています。ただし、両者間の正確な関係性は判明していません。

顎関節症の原因

顎関節症の原因は正確にはまだわかりません。 顎や顎関節への外傷が顎関節症のとなることがありますが、多くの原因は解明されていません。また、明確な原因があって症状が引き起こされているとも限りません。悪いかみ合わせや歯列矯正によって顎関節症が引き起こされるという説や、女性に多いという点から、ホルモンと顎関節症との間の関係性も調査中です。
ストレスや歯ぎしりが顎関節症の大きな原因とされてはいますが、これにも不明確な側面があります。顎関節症の多くの方は歯ぎしりをしていませんし、いつも歯ぎしりをする人の多くは関節症の症状がないということです。歯ぎしりをすると痛むので歯ぎしりをしない傾向にあるというのです。また、顎関節や筋肉に不具合を持った方の多くに認められるストレスは、顎関節症の原因というよりも、その痛みや機能不全の長期化により生じていると考えられています。
このことからも、顎関節症の歯科治療の場合、診査の段階で多くのデータを記録しておくことがたいへん重要であるといえます。行き当たりばったり(いきなりかみ合わせの高いところを削ってしまうとか)は危険です。

口の開閉時などに顎関節からコキッという音がするものをクリック音といいます。このことが深刻な問題が生じるとは証明されていません。痛みや顎の動きにも不具合がなければ顎の雑音だけで顎関節症とは診断されません。治療の前に様子を見ましょう。

顎関節症の兆候と症状

以下の症状が出たら要注意!

さまざまな症状が顎関節症につながっているかもしれません。とくに噛むときに使う筋肉や顎関節が痛むのが一般的な症状です。
他の症状として以下に示します。

・顔面、顎、首における放散痛(原因と異なる部位の痛み)
・噛むときに使う筋肉が凝る(固くなる)
・顎が動きにくい(口が開けにくい)
 顎が引っ掛かって動かない(ロック)
・口の開閉時に痛みを生じる
  クリック音(コキコキ)
  ポッピング音(ポコポコ)
  摩擦音(シャリシャリ)
・噛んだ時の上下の歯のあたり方の変化

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